top of page

早期警戒を告げるサインは存在するか?

  • 執筆者の写真: 山木戸啓治
    山木戸啓治
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:3 日前

「炭鉱のカナリヤ」は、鳴いているか?

 最初に異常を察知して反応する指標が、「炭鉱のカナリア」にたとえられます。将来の危機を、いち早く知らせてくれる存在を意味します。早期警戒を告げるサインを、いち早く察知する存在の象徴として使われます。「炭鉱のカナリア」の役割を果たす指標は、投資家にとって経済の健康状態を早期に把握する重要な手がかりです。

 

「炭鉱のカナリア」の役割を果たす指標は

産業全体の基盤となりテクノロジーの根幹を担う、基本素材である半導体は「産業のコメ」と呼ばれます。半導体の需要が増えれば経済活動が活発であり、需要が減れば経済の減速の兆候とされます。

ナスダック証券取引所に上場されている半導体の設計・製造・流通・販売を行う企業30社で構成されるのがSOX株価指数です。テクノロジー企業の業績を反映しており、株式市場の変動に敏感に反応します。半導体需要が景気動向に大きく左右されることから、SOX指数は景気の先行指標としても知られます。SOX指数の動向には、新技術の開発、需要の増加、および経済全体の成長が背景にあるとされています。SOX指数は単なる株価指数以上の役割を果たします。


SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)の推移

産業全体の基盤となりテクノロジーの根幹を担う、基本素材である半導体は「産業のコメ」と呼ばれます。 半導体の需要が増えれば経済活動が活発であり、需要が減れば経済の減速の兆候とされます。 ナスダック証券取引所に上場されている半導体の設計・製造・流通・販売を行う企業30社で構成されるのがSOX指数です。 テクノロジー企業の業績を反映しており、株式市場の変動に敏感に反応します。半導体需要が景気動向に大きく左右されることから、SOX指数は景気の先行指標としても知られます。

SOX指数の2024年7月11日の暴落では「ファンダメンタルズ面では新たなネガティブニュースはなかった」と報じられました。SOX指数は7月11日に5,931ポイントが、高値となり調整に入りました。2025年1月22日には5,469ポイントが戻り高値となり、その後大幅調整となっています。景気への不透明感が現実路線になる前から、多くの株価指標に先んじてSOX指数は調整に入っています。

2023年から2024年にかけて、AI革命への熱狂が株式市場を押し上げました。アルファベット、アマゾン、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラの「マグニフィセント・セブン」が中心となりました。エヌビディアは2024年初来で3桁の上昇を記録し、上昇ぶりが際立っていました。他のハイテク分野に比べ、半導体株は2024年に大きな上昇を遂げました。高すぎるバリュエーションと期待が、いずれは半導体株の暴落につながるのではないかという懸念もありました。


S&P500種株価指数の推移

トランプ政権の関税政策を背景に、米国の株価指数は軒並み調整に入りました。ダウ工業株30種平均は、2024年12月4日45,073ドルで高値を打ちました。ナスダック総合指数は、12月16日20,204ポイントで高値を打ちました。S&P500種株価指数は、2025年2月19日6,144ポイントで高値を打ちました。その後それぞれの指数は調整に入っています。景気後退への懸念を背景にしたハイテク企業の影響力が、市場全体に及ぼす影響は大きく、隠れる場所はありません。

2024年11月26日トランプ氏は大統領就任初日にメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すと表明しました。中国からの輸入品には、追加で10%の関税を課すとしました。その後もトランプ大統領が示した関税率が想定以上だったことにより、世界経済の先行きに不透明感が高まりました。トランプ政権の関税政策を背景に、米国の株価指数は軒並み調整を余儀なくされています。ダウ工業株30種平均株価指数は、2024年12月4日45,073ドルで高値を打ちました。ナスダック総合株価指数は、12月16日20,204ポイントで高値を打ちました。S&P500種株価指数は、2025年2月19日6,144ポイントで高値を打っています。その後それぞれの指数は調整に入っています。

 景気後退への懸念を背景にしたハイテク企業の影響力が、市場全体に及ぼす影響は大きく、避けることができませんでした。早期警戒を告げるサインから市場の動きを観察し、調整を終えた銘柄群からNISAの成長投資枠を活用することも考えられます。


Comments


人口減社会の資産運用

©2023 人口減社会の資産運用。Wix.com で作成されました。

bottom of page